■「商談環境の変化に対応できていますか?
昨今はオンラインでの商談や、商談メーカーの絞り込みなどもあり、そもそも事前に送った提案書に興味を持ってもらえるか、限られた時間でわかりやすく、説得力のあるプレゼンテーションができるかなど、「伝える工夫」も大切になっています。
登場人物のご紹介
本コラムの主人公、江藤さんが所属している「MK食品株式会社」のメンバーや、取引先の「TMスーパー」のバイヤーさんなどをご紹介。
カテゴリー市場シェア3位メーカー。バイヤーと直接商談できる得意先は多い。
- 江藤さん(営業担当)
- 前任の急な退職により、急遽TMスーパーの本部担当に抜擢
- 塚田さん(課長)
- 江藤さんの上司で、元エース営業担当
現在は担当先を持たずマネジメントに専念
- 鈴本さん(営業担当)
- MK食品の新入社員
- 椎谷さん
- 頼れる本部スタッフ、のちのち登場予定
関東を中心に伸び盛りなスーパー
SM業界TOP5も見えてきたところ
- 片岡さん(バイヤー)
- MK食品を含むカテゴリーに新しく着任
「前任よりも実績を出していきたい」とやる気満々
■忙しいバイヤーに、提案に興味を持ってもらうためには...
提案ストーリーをまとめ上げ、提案書を書き上げた江藤さん。
バイヤーとの商談に向けて、塚田課長を相手に商談のロールプレイングに臨みます。
【MK食品 量販営業部オフィス】
内容のチェックも兼ねて、商談の練習させてもらえませんか?
準備するからちょっと待ってて。
......お待たせ。
よし、じゃあ始めるか!
片岡バイヤー、今日はお時間をいただきありがとうございます。
次の予定もありますので、お約束通り15分でお願いします。
ところで片岡バイヤー、今日は時間が短いこともあり事前に提案書お送りしていましたが、見ていただけましたか?
ではあまり時間もありませんので、早速ご説明いたします。
本日は次の半期の売場に弊社の新商品を導入いただきたく、ご提案いたします。
ではまずカテゴリーの市場動向ですが...
残念ながら、プレゼンテーションが全然魅力的じゃない。
どうしたら最初に引き付けられるようになるんでしょうか?
でも間違いなく次のシーズンの新商品の提案なんで、これ以外に書きようが...
印刷して持っていったとしても、メールで事前に送ったとしても。
それなら表紙をぱっと見たときに「お!?これは期待が持てる提案なんじゃないか!?」と思ってもらえたらいいと思わないか?
今回の提案がバイヤーのどんな問題を解決するものなのかを一言入れておくだけで、この後の話を聞きたい、先のページを見てみたいという期待感を持たせることができる。
例えば「カテゴリーの新しいお客様を獲得する」とか「高付加価値品で客単価を上げる」とかね。
他社からもたくさん資料がきているはずだから、「また新商品の紹介資料か」と思われたんじゃないかな。
特に商談時間の短い場合は、長々と前提の話をしていたら肝心の解決策の話ができなくなってしまうし、次の商談を控えて忙しいバイヤーに「で、結局何が言いたいの?」なんてストレスを感じさせてしまうからね。
どんな話の流れなのかをイメージしてもらったうえで説明をしたほうが頭の整理がしやすいし、場合によってはバイヤーから「ここ詳しくお願い」って気になってることを示してもらえたりする。
他にも資料作りとかプレゼンテーションのコツはたくさんあるから、それはそれで勉強しておけよ。
(いつまで片岡バイヤーになったままなんだろう...)
■本部商談奮闘記 今回のポイント
今回は提案の魅力や期待値を高めるひと工夫をお伝えしてまいりました。
とても単純で簡単なことですが、やっていない人のほうが圧倒的に多い印象です。
商談時の他社との差別化のポイントにもつながりますので、ぜひ取り入れてみてください。
- ★今回のポイント★
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- 一番最初にバイヤーの目に留まる表紙で「メリットを語る」
- 結論や提案のサマリーは最初に伝える
- 当日のアジェンダ(≒提案書の目次)をつける
筆者