2月は多くのお得意先様で春夏の棚割が決まり、3月からは順次棚替えが行われてまいります。
メーカー営業としては実績のベースを作るうえで定番採用は欠かせないものですので、継続採用であれ新規導入であれ、バイヤーに「育成していくべき商品」として認識していただき、今後も継続的に売場に並んでいる状況を作っていく必要があります。そのためには、売場に並んでからすぐにPOS実績に反映させていくことがとても重要です。
ではどのようにして棚替え後の初動を活性化していけばよいのでしょうか?
今回のコラムでは大きく2つの観点でポイントを整理して参ります。
(長文になりますが、ぜひ最後までお読みいただければと思います)
ポイント① 確実に売場に陳列されているか?
まず、当たり前なのですが「売場に並んでいる」必要があります。
売場に並んでいない商品はお客様は買えません。
当たり前と言いつつ「棚替えが済んだはずなのに自社商品が並んでいない」ということは実は結構起こってしまいます。
その要因で代表的なのは、「配荷予定の店舗から発注があがっていない」、「棚替えが予定通りに行われていない」などです。
配荷予定の店舗から発注があがっていない、ということについては各店の発注状況を随時卸店に確認し、もし発注されていない店舗があれば、バイヤーから発注を促していただきましょう。
また、「棚替えが予定通りに行われていない」という状況ですが、多くは店舗事情に起因すること(急にシフトに欠員がでた、など)なのでメーカーとして手を打つことが難しいのですが、まずは棚替えが完了していない店舗についてバイヤーと認識共有を行い、発注同様に棚替え作業を促していただくようにしましょう。
もし特定の店舗で、棚替えのたびに遅れが発生するということがあれば、事前に対応策を提案しておくこともできるかと思います。(重要な店舗であればメーカーからの応援を手配、など)
販促物の設置やアウト展開などがある場合は、商品と販促物の納品スケジュール、売場展開の指示書についてもバイヤーを通じてもれなく伝達いただくようにしましょう。
ポイント② どうやって「買っていただく」を拡大するか?
無事、売場に並んだあとは「お客様に買っていただく」というハードルがあります。
原則的には、売場に棚割通りに陳列されている、販促が予定通り実施されている、ということであれば買っていただける状況は整っていると言えますが、実際にすぐに買っていただけているのか検証は必要です。
そこで、導入後1週間程度での店別のPOSデータを分析するようにしましょう。
店別POSをいただいていない場合でもバイヤー、卸店に実績の確認をしていただくようにしましょう。
店別に実績を確認していくと、良く売れている店舗とそうでない店舗が見えてきます。
(ここで実績ゼロの店舗は陳列されていない可能性がありますので売場を要確認)
そこで、良く売れている店舗を調べてみると、例えば、店内放送や声掛けを行っていた、多箇所陳列やクロスMDを行っていた、棚割を商圏特性に合わせて調整していた、などと店舗やエリア(SVの指示)での独自の工夫がみられることがあります。
このような事例は配荷している全店(あるいは同様の特性を持った店舗)に展開していただくよう、バイヤーに提案をしましょう。
最後に少々細かい視点ですが、導入後数日は実績が上がっていたのに急にゼロが続いている、という場合は欠品している可能性があります。そのような推移の店舗がないかも見落とさないようにしましょう。
プライスカードが外れて意図せず追加発注できない状態だった、それに気が付かず空いたスペースに他社品を陳列されてしまったということにならないよう気をつけましょう。
特に棚替え直後はお店の方もそのような状況になっていても気が付きにくいことが想定されるため、データを注意深く見ておくことでこのようなリスクの回避につながります。
ここまで棚替え後の初動を活性化するためのポイントをお伝えいたしました。
特に重要なお得意先様についてはぜひ実践してみてください。
【お役立ち追加情報】 ②棚替え後の検証スケジュールの握り方 |
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