4~5月と、2月、3月決算の上場小売業では順次決算発表が行われて参ります。
すでに決算説明資料がホームページで公開されている企業もありますがご覧になられましたでしょうか?
営業活動における情報収集の重要性については過去のコラムでポイントの解説をしていますので、ぜひ一度お読みいただければと思います。
量販営業お悩み解決コラム 江藤さんの本部商談奮闘記その4
「得意先小売業の情報収集」って具体的に何をすればいいの? 1
簡単におさらいをすると、
- 部門やカテゴリー(バイヤー)の方針はチェーン全体の方針と連動している
- 方針に合っていない提案は受け入れられない
- 様々な情報を持っていることでバイヤーとの意思疎通が図れる
などが情報収集をする重要性やメリットでした。
特に5月は前述の通り、決算発表として上場小売業が一年間の自社の営業を総括し、次の一年をどう考ているかを発信するタイミングです。
ご自身の担当得意先であればすでにご覧になっていることと思いますが、もしまだのようでしたら忘れずに確認しておきましょう。
その際に気を付けておくべきことですが、前期比だけでなく計画比も必ず確認してください。
例えば、バイヤーとの会話の際に「全社売上前期比108%でしたね。好調ですね!」と言ったとします。しかし計画比は99%だっとしたら、バイヤーから「いやいや、予算未達ないんだからいいわけないでしょ。」と返されてしまいます。
今年の決算発表でも前年比は100%越え、計画比は100%割れ、という企業はいくつか見られていますので、ご自身の担当先について改めてご確認いただければと思います。
また、担当先でないチェーンについてもぜひご覧いただき、例えばスーパーマーケット業態の全体感としてはこうだったなど、俯瞰した目線で分析を行ってみると良いかと思います。
24年2月期(3月期)については、販売面では新型コロナウイルスの5類移行に伴う生活・人流の変化や、前年から続いている多くの商品の値上げ、管理面では光熱費や処遇改善のための人件費増など、業績に影響を与える変化が複合的に絡み合う一年でした
また、Drugチェーン上位企業の経営統合、大手SM企業の地方部での閉店(譲渡)なども大きなニュースとして挙がっていました。
今期はどのようなトピックスがありそうなのか、それが得意先にとって追い風になるのか、それとも向かい風になるのか、どのような対策が必要になりそうなのかなど、ご自身としての見解を持っておくことをお勧めします。
その際、業界誌・業界メディアなどの情報にもアンテナを立てておくと、ご自身の見解を見出す参考になりますので是非活用してみてください。
そして、得られた見解についてはバイヤー(や卸の方)へとのコミュニケーションに活用しましょう。
自分なりの見解や仮説を提示することで、バイヤーとしては担当カテゴリーの今後をどう考えているのか、それをこの秋冬の売場や販促方針や予算計画にどう反映させるつもりなのかを引き出す助けになります。
例えばですが、「来年、御社のエリアにディスカウント系の競合参入があり、店舗の使い分けが進むと考えられます。御社で購入していた商品を競合店で買われてしまい、買上点数の減少が懸念されます。今のうちから御社の強みであるPBとの併買を売場で訴求していく必要があると思うのですが、バイヤーはどのようにお考えでしょうか?」などと自分の見解を伝えたうえでバイヤーの考えを伺います。
その見解がバイヤーと一致していたり、納得感が高く共感を得られれば、その方向性で秋冬提案を検討していけばよいですし、仮に見解が異なったとしても「私(弊社)としては~~と考えていてね...」とバイヤーや得意先としての見解を引き出すことにつながります。
特にまだ関係性の浅いバイヤーや、もう一歩踏み込んで提案・取組を進めていきたいバイヤーとのコミュニケーションにはとても効果的ですので是非実践してみてください。
【お役立ち追加情報】 他にも提案に向けてどのような情報を収集しておけばよいのかや、店舗や売場の視察(見方)についても発信していますので是非ご参照ください。 ☑情報収集しておくべき項目 ☑店舗、売場の見方 |
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